コンサート会場での楽器演奏は当然ですが生演奏であり、一度始まれば失敗は許されませんし、勿論やり直しなど許されません。しかしながら、どんなに練習を繰り返しても本番になると緊張してしまうのが人間であり、観客が気づくかどうかは別として、小さな失敗は十分有り得る事です。一方レコーデイングでの楽器演奏は、立ち会っているその道のプロが完璧と言うまでは何回でもやり直しがあります。この二つは舞台俳優と映画俳優の演技に例える事が出来ます。舞台俳優は、幕が上がれば観客に直接注目されますので、音楽で言う生演奏同様の緊張感となりますし、映画俳優は監督の合図で演技を始めますが、上手く行かなければカットとなり、やり直しとなります。どちらの方が簡単と言う事では有りませんが、やはり直接観客に注目される舞台での演技やコンサート会場での楽器演奏の方がより難しさを感じてしまいます。そういう意味では、私たちの人生もやり直しがきかない生演奏の本番ですので、より緊張感を持って暮らさないといけませんね。