普段行っている楽器練習や曲の練習は、当然発表の場(コンサート)があるからであって、そこに向かって少しずつ意識を高めていきますね。本番が近づくほどに体力的にも精神的にも煮詰まっていくのを感じるわけです。「普段の練習から本番を意識していないと、いざという時に頭の中が真っ白になってしまう」というのは良く聞く教育ですが、まさにその通りだと思うのです。

どんなに沢山の練習を積んでも、体調を万全に整えて臨んでも、大勢の観客の前で演奏をするのは非常に緊張します。これだけは、どれだけ訓練をしても克服しきれない課題かもしれません。

そして私自身の場合ですが、個人的にずっと抱え続けている疑問が一つあります。

楽団コンサート等の本番では、リハーサルが終了すると決まって楽屋には「軽食」が用意されていたりするものですが、本番にはこの「軽食」を食べてから望む人と、食べないで臨む人がおおよそ半々くらいに分かれます。一般的に食事は「集中力」の持続に差をつけますが、同時にエネルギー力にも差をつけます。無論、私は「集中力」を保つ為に本番前に食事は控えます。

誰もが最良のコンサートにしたいと思っているからこそ、ベストな状態で本番のステージに立つわけですが、考え方にも個人差があり、本番前の食事について疑問に感じる時があるのです。